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医療経営の面から持続可能な医療の実現をめざす。 エムプラットが解決する医療経営における課題とは

2023年よりエムステージグループに参画し、現在、株式会社エムプラットの代表取締役を務める濵岡さん。エムプラットの事業内容やその背景を伺いました。

株式会社エムプラット 代表取締役 濵岡さん
都市銀行での法人貸付審査、中小企業再生支援、エムスリーキャリア株式会社での新規事業立ち上げ、医療機関における事務長勤務を経て、2023年エムステージグループに参画。株式会社エムプラットの代表取締役として「変化する時代に、進化できる医療経営」をビジョンに、医療機関の経営支援事業を展開。

――本日はよろしくお願いいたします。まずは濵岡さんのこれまでのご経歴を伺えますか

大学卒業後は都市銀行に就職し、法人貸付審査を担当していました。その時に担当したのが地域の2つの病院で、そこで初めて「医療経営」に触れることになります。5年ほど銀行で経験を積んでいたのですが、ちょうどそのころに、取引先の社長からお誘いがあり政治家への道にチャレンジしたこともありました。紆余曲折あり、政治家への道はすっぱり諦め、その後、友人からの依頼で中小企業の事業再生をおこないました。3期連続赤字の債務超過企業の建て直しに成功し「銀行という大企業での勤務」「中小企業の事業再生」という2つの経験から成長企業で働くことに興味を持つようになり、次のキャリアとして選んだのが「医療コンサル事業」を立ち上げようとしていた医療人材系の企業への転職です。

――その転職先で株式会社Rakusai(エムステージグループ)代表取締役の青木さん、株式会社エムステージ 医療人材事業部 事業部長の辻本さんと出会われたとか

そうです。「医療コンサル事業」の立ち上げの際は、自分のビジネススキル不足を痛感する日々でした・・・
そんな切磋琢磨する環境の中で青木さん、辻本さんと出会いました。そこでの出会いがエムステージグループへの参画につながっています。

――エムステージグループへの入社の経緯を教えていただけますか

青木さん、辻本さんと出会った企業で、医師採用アウトソーシング、事務職紹介サービス、地域包括病床の転換コンサルサービスを新規事業として立ち上げました。医療経営に関係するいくつかのサービスに関わるなかで、現場で医療経営を担う「医療機関の事務長」を実際に経験することの必要性を感じ、医療経営を行う企業で2つの病院の事務長として勤務し、そこで現場の実情を把握しました。
事務長の担当領域の広さ、日々の業務量の多さを身をもって知ることができ、それらの経験から、医療機関における事務長をサポートするためのサービスを立ち上げたいと考えるようになりました。そこで青木さんの紹介で出会ったのがエムステージグループ代表の杉田さんです。

当時、杉田さんは、エムステージグループとして医療経営に関する事業の強化を構想されていました。私は、これまで培った経験やノウハウを医療に還元するための最適なキャリアは何であるかを熟考し、幅広く様々な医療機関の経営スキルをアップデートしていきたいと考え、エムステージグループへの参画を決断しました。

――様々な出会いとご経験が、エムステージグループへの入社の背景となっているのですね。エムステージグループでは、株式会社エムプラットの代表取締役としてご活躍されていますが、どのような事業を展開しているのでしょうか

エムプラットは、医療機関における事務長をサポートするサービスを展開しています。

事務長は病院やクリニックの経営・運営をおこなっており、担当領域はかなり広範囲になっています。経営方針の策定から人事業務、経理業務やマーケティング、日頃のトラブルの対応までおこない、その病院・クリニックにおける事務長の影響はかなり大きいものです。

日々目前の業務に追われる中で、専門知識が必要となる「経営」「IT」「マーケティング」の3つの分野は特に医療経営において難しいといわれる分野です。主に、この3つの分野でサポートさせていただくのがエムプラットです。そのために提供する主要なサービスは「事務長サポート」「専門コンサルマッチング支援」「メディア運営」の3つとなります。

(株式会社エムプラット 新企業ロゴ)

――事務長サポート

実際に病院の事務長として働いていた時に感じたことですが、事務長が対応すべき事象のほとんどがその病院にいなければ解決できません。スタッフ同士や患者さんとのトラブルなど、日々沢山の事が現場ではおこっています。そういったことも含めて、すべての事務長の業務を完全にアウトソーシングすることは難しいですが、一方で、その病院の今後の経営や、その地域においてどうあるべきかといったことを考えたり、そのための情報を集めたりということは、必ずしも常に現場にいなければできないというものではありません。加えて、経営の専門知識をもち、現場の外から俯瞰して病院のことがみられる私たちのようなスタッフが、よりよい経営へと導くお手伝いができるのではないかと思っています。

事務長サポートは、事務長業務のアウトソーシングとコンサルの間のようなかたちで、事務長の業務をサポートするサービスになります。

――専門コンサルマッチング支援

イメージで言うと、顧問サービスのようなものです。医療経営において、一般的な経営知識の他に、医療ならではの専門的な知識が必要となることが多々あります。例えば、診療報酬の知識や、その後の収益に大きく影響を与える病院建て替えにおける知識です。特に、病院建て替えにおいては考慮すべき点が多いため、専門コンサルタントがいることで適正な金額での設備の導入や、そこで働く医療従事者の使いやすさなどが反映された建て替えが可能となります。

――メディア運営

医療経営において必要な設備やサービス等が比較検討できるプラットフォームです。
医療経営は事務長の情報収集力に依存している部分があるのですが、必要な情報が表にでていなかったり、それぞれバラバラの媒体で発信されていたりということもあり、情報を比較・検討することができない状況があります。そのことによって、例えば、医療機器の導入ひとつとっても適正な価格であるか、適正な機能であるかということが判断できなくなってしまいます。

エムプラットが展開するプラットフォーム『M.PLAT』は、料金の相場の提示や、口コミの機能を搭載し、また、厚生労働省などの様々な機関が出している情報も集約していく予定です。

様々な情報を同じプラットフォーム上で比較することで、自院の病院における課題点を見つける手助けができればと考えています。

――こういった事業の背景にある、濵岡さんがお考えになる現代の医療における課題とは何だと思いますか

2025年問題という言葉があるように、超高齢化社会である日本では、今後、医療や介護において今以上に大きな影響がでると言われています。必要な医療が必要な時に受けられなくなるという未来も確実に近づいてきているのです。

医療経営に関する様々なキャリアを積む中で、その医療課題の要因のひとつには、医療機関の経営スキルの遅れがあることを実感しました。医療経営におけるビジネス的な知識は、一般企業のそれと比べると10年も20年も遅れがあると言われています。そのようなスキル不足が国家財政にも影響を与えているということに課題を感じました。エムプラットの役割は「経営面」から「持続可能な医療の未来」を実現させることです。

少しスケールの大きい話になってしまいましたが、例えば、今後自分の親が医療を必要とするタイミングで、その医療機関の経営効率が悪く、お金が足りないという理由で受けたい医療が受けられないという状況もうまれるかもしれません。それは、自分自身が医療を受ける場面においても同じことが言えます。国家財政というマクロの視点で見てもそうですが、自分ゴトとして考えたときに、やはりこの課題はかなり深刻です。

――「持続可能な医療」が当たり前ではない。持続可能なものではなくなってきている。そのことを、これまでのご経験から肌で感じられているからこそ、エムステージグループのビジョンである「持続可能な医療の未来のために」に共感されたのですね

そうですね。今後は、エムステージグループの各社、事業部と連携しながら「持続可能な医療」をめざしていきます。そのためにも、まずはエムプラットとして”単純なビジネススキルの不足によって医療が提供できなくなる”という状況を回避する力になれればと考えています。

――「経営面」から「持続可能な医療の未来」をめざす。本日はお話ありがとうございました!

株式会社エムプラット コーポレートサイト