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アンガーマネジメントの実践法

パワハラ対策・予防の効果が注目されるアンガーマネジメント

職場の「いじめ・嫌がらせ」は増加傾向

厚生労働省の調査「個別労働紛争解決制度の施行状況」(※)によれば、総合労働相談コーナー宛に寄せられる「いじめ・嫌がらせ」といったハラスメントに関する相談件数は毎年増え続けています。

同調査のデータの過去10年間を比較してみると上図のようになります。

「いじめ・嫌がらせ」に関する労働相談の件数は2010年度では39,405件でしたが、2019年度には87,570件と、2倍以上の件数になっています。

この総合労働相談コーナーでは、その他にも数多くの相談を受け付けています。しかし、職場のいじめ・嫌がらせに関する相談は全体の中でも最多であり、相談全体のおよそ25%(2019年度)を占めているのです。

心理療法プログラム「アンガーマネジメント」とは

アンガーマネジメントとは、自分の中にある「怒り(anger)」をマネジメント(抑制・予防)するための心理療法プログラムことです。昨年には、中小企業も対象としたいわゆる「パワハラ防止法」がスタートしており、個人だけでなく企業におけるリスクマネジメントの観点からも、アンガーマネジメントは大きな注目を集めています。

アンガーマネジメントを取り入れる大きなメリットは、部下などの精神的不調を回避することや、職場の円滑なコミュニケーションの実現、個人の生産性を向上させ、休職・離職率の低下にも期待できるといわれています。

上長として「怒らなければよかった」、部下として「怒鳴って言い返してしまった」と後悔することのないように、今すぐ実践できるアンガーマネジメントについて知っておきましょう。

怒りを感じやすい人の傾向

怒りは感情の一つであり、その原因は数多く存在します。しかし、怒りの感情を抱きやすい人とそうでない人がいるのは確かで、怒りやすい人は「完全主義」と言い換えることもできるかもしれません。

例えば、上司・部下・同僚の行動や言動に対し「許せない」「理解できない」と感じてしまうタイプの方ほど、その傾向が強いことが考えられます。

業務においては「これくら大丈夫だろう」という判断が常に求められますが、その「これくらい」という尺度や考え方は人それぞれです。

こうした尺度・考え方の違いから「怒り」が発生し、職場はストレスの要因で満ちあふれています。人の行動が許容できない方は、アンガーマネジメントを実践してみて、ハラスメントに発展してしまわないようにしましょう。

人なぜ怒りを感じるのか

「いらいらする」あるいは「怒りっぽい」状態とは、物事が自分の思い通りにいかないときに、心の中に生じる不快感のことを指すと考えられています。その怒りの要因となるものは、不安や不満など、さまざまな感情があります。

そして、「怒りを覚える」メカニズムは、自分にとってその物事のコントロールが「可能」か「不可能」かによって分かれており、コントロール可能でありそうな事象ほど「怒り」が発生し、強い怒りを感じるとされているのです。

「物事を変えられそう」「コントロール出来そう」なものに対して、自分が怒りの感情が抱くことを知っておきましょう。

アンガーマネジメントの要点は「6秒間待つ」こと

怒りの感情を相手に爆発させてしまうことは様々なリスクを伴います。たとえ、怒りによって失うものを理解していたとしても、とっさに湧いた怒りの感情を落ち着けることは難しいと思います。

アンガーマネジメントを手軽に実践する方法は「怒りを感じた時、6秒数える」ことだと言われています。

なぜ、6秒間待つのかというと、その理由は怒りのピークが約6秒だとされており、この6秒間をやり過ごすことで、怒りの感情を抑えることができるとされているからです。

ですので、仕事中にもし怒りの感情が湧いてしまったら、まずは6秒待つことを実践してみてましょう。また、6秒間を数える時はゆっくり深呼吸をすることも効果があるとされています。

6秒間待つことのほかに効果的だと考えられているのが、怒りを覚えたら「その場を離れる」という行動をとることです。

アンガーマネジメントには「日記」をつけることも効果的

アンガーマネジメントとして効果のある方法の2つ目、それは「怒りを覚えた事柄について日記を書くこと」といわれています。

感情に関する日記をつけていくことで、その時の自分を振り返るのです。そして、怒りの種類や大きさ、自分はどのような出来事に怒りの感情を抱きやすいのか、といった自分自身の傾向を客観的に見ることができます。

また、日記をつける際には「自分の考え・言い分は本当に正しいのか?」といった観点でも見直してみることも効果的でしょう。

そして、厚労省が発表した2018年の精神障害の労災補償状況を見てみると、1,820件(※2)の請求があり、年々増加の傾向にありますので、働く人の精神障害を防ぐためにも、アンガーマネジメントは大切になります。

もし、パワハラが原因で労災が発生したり、従業員から会社が訴えられてしまったら…企業は大きなダメージを負うことになってしまいます。

2022年4月には、中小企業も対象としたいわゆる「パワハラ防止法」もはじまりましたので職場の「怒り問題」へ適切に対応していきましょう。